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プリント基板設計の基本的な考え方!!このサイトは、プリント基板設計の基礎を
勉強するページです。発熱対策、ノイズ対策まで幅広く紹介していきます。

電源ライン、GNDラインの考え方!! 解説

PCB、プリント基板のレイアウト設計、電源ラインの注意点、パスコン、デカップリングコンデンサ使用時の注意、ノイズ対策の基礎と応用など、基板設計の基礎を勉強しよう!!



回路が動作しているときは必ず、電源から電流が供給されています。つまり、プリント基板上で最も電流を流すラインは、この電源・GNDなのです。今回は、プリント基板上で最も重要なライン、電源ラインとGNDラインの考え方の基本と注意点について考えてみたいと思います。







プリント基板設計の重要性と基本的な考え方法

PCB、プリント基板設計は、非常に重要な設計項目です。実装する半導体部品や抵抗、コンデンサなど、各種部品の特性を活かす基板設計が重要です。実際に、プリント基板を設計するためには、さまざまな考えるべきポイントがあり、注意すべきポイントがあります。それらについて簡単にまとめてみたいと思います。 世の中にある電子機器、例えば、携帯電話、パソコン、ハードディスク、テレビ、DVD、コピー機、FAX、プリンタ、カーナビ、オーディオ機器など、セット機器の中には電子回路基板があります。そして、このプリント基板の上で半導体素子、ICやLSIなどの電子部品が働き、それによって、僕らが楽しく便利な機能を実現してくれています。でももし、回路図上で完璧な回路が設計できても、プリント基板設計がうまく出来なければ、そのセット機器は正常に動作するかは分かりません。その場合、プリント基板設計が悪いのか、作った回路が悪いのか?、見極めるのは、非常に時間が掛かります。以上の理由から、基本的なポイントをしっかり理解し、それを基板上に設計できるようしていきたいです。

今回扱いたいテーマは、電源ラインとGNDラインです。電源ラインとGNDラインは回路図の中では、ただの配線です。回路図の中では、もちろんインピーダンスはゼロですが、実際のPCBパターン上では、 インピーダンス成分、インダクタンス成分、浮遊容量が存在するため、このラインに電流が流れると電源ラインやGNDラインが振られたり、 リップルやノイズが発生します。これらの影響に対し、十分注意しないと、最悪の場合は作った回路がノイズまみれで誤動作したり、動かなかったり、 それにより部品が破壊することさえ起こりえます。以上の理由から、電源ラインとGNDラインのパターンを上手く描き、これらの影響を少なくし、 安定化させるかが、ここでのポイントになります。















電源ラインとGNDラインの設計時の注意点について

超基本的事項のまとめ

  1. 電源ライン・GNDラインの配線は出来るだけ太く短くする。
  2. 共通インピーダンスの影響を出来るだけ小さくする。


基本事項についての詳細について

では、上記基本事項について順に見ていきましょう。

1、配線は出来るだけ太く短くする。
配線を太く、短くすることにより、電源ライン・GNDラインのインピーダンスやインダクタンスを小さくすることができます。これにより、電流が流れた場合の電圧降下や電磁誘導など、電源ラインの振れの影響を低減できます。以上の理由から、出来るだけ太く短くするのがよいと考えます。

例えば、インダクタンスLに電流が流れる場合の動作を考えてみます。電流を流していて、その電流が急に流れなくなった場合を考えてみましょう。この場合、コイルの性質により電流を流し続けようとしますから、逆起電圧が発生しノイズになる可能性がりあます(ただし、大きさや影響度合いはL値と流している電流値により異なります)。また、L成分に電流が流れることによりその周辺には磁界が発生し、ノイズを放射することにもつながります。
以上の理由から、配線インダクタンスを下げる目的でも電源ライン・GNDラインは太く短くしインダクタンスも下げる必要があります。配線インダクタンスの低減については 高速ディジタル回路実装ノウハウ が詳しいです。


2、共通インピーダンスの影響を出来るだけ小さくする。
セット機器では、電源から電流が流れGNDに戻っていきます。このとき、各ラインのインピーダンスやインダクタンス、流れる電流により、電圧降下やノイズが発生します。

例えば、回路電流が多い場合や、スイッチングを行うような回路では、電源ラインやGNDラインが振れる形となり、各ラインにぶら下がる他の回路や基準電圧に影響を及ぼします。
この電圧変動がノイズの発生源になったり、あるノードの電位を揺さぶります。この影響を低減するためには電源・GNDラインをそれぞれ分けて配線し、スイッチングするラインや電流を多く流すラインは特に、独立にしたいところです。













プリント基板設計の基本的な注意点まとめ

以上、今回は、電源ライン、GNDラインの考え方について、基本事項を簡単にまとめてみました。

プリント基板設計で重要なのはやはり、電源及びGNDのインピーダンスを如何に下げることが出来るか、また、大電流ラインやスイッチングラインなど、パルス信号のラインの影響を如何に減らせれるかです。もちろん共通インピーダンスの影響を低減させることも、言うまでもありません。実際、ICのピン数が多くなった場合や、同じ基板上に、数多くのデバイスをマウントする必要がある場合は、特に注意が必要です。また、数多くのデバイスが密集してきたり、基板サイズが制限される場合は、空きスペースも少なく、特に難しくなります。その場合は、最も重視したいポイントは何かを十分考えて、優先順位をつけることが必要です。じっくり考えましょう。 今回は、基本事項を並べてみましたが、これ以外にも考慮すべき事柄や注意点はたくさんあるとは思います。別の章で少しずつ説明していきます。

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本ページの注意点

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