電源ラインのコンデンサ、必ずつけてね!?デカップリングコンデンサ、バイパスコンデンサ、共振、容量値、電圧降下、リップルについて

| HOME | プリント基板設計 | 電源ラインのコンデンサ |

更新日 2017-05-21 | 作成日 2008-03-08

プリント基板設計、電源ライン、デカップリングコンデンサの考え方!!

PCBレイアウト設計の基礎と応用、パスコン、デカップリングコンデンサについて

電源ライン、デカップリングコンデンサの役割






電源からICなど部品に電圧や電流を供給する場合、電源からICにつながる配線と流れる電流(スイッチング電流)により、電源ラインに電圧降下や電磁誘導が発生し、
ICの電源にリップルやノイズが発生する可能性があります。もちろん使う電流値や周波数、基板パターンにもよりますが、これらの影響を低減させる方法を考えてみたいと思います。
ここで活躍するのがデカップリングコンデンサ、バイパスコンデンサです。

お願いです。基板上でICを用いる場合は必ず、ICのすぐ近くにデカップリングコンデンサを太く短く配置してください・・・。

電源ラインのコンデンサの効果


<超基本事項まとめ>

1、瞬時電流を供給させる役割

2、広い周波数範囲で電源ラインのインピーダンスを下げる

3、外部のノイズを防止する


では簡単に解説していきましょう。

1、瞬時電流を供給させる役割

電源ラインが大元の電源から配線でつながる場合、そこには少なからずインピーダンスやインダクタンスが存在します。この場合、例えばICに大きなスイッチング電流が流れたと仮定すると、そのラインのインピーダンスと流れるスイッチング電流の周期で電圧降下や電磁誘導が発生します。これを防ぐために、ICの直ぐ近くに電解コンデンサなど、デカップリングコンデンサを付け、電解コンデンサから瞬時の大電流を供給させ、電源ラインから瞬時電流を流さないようにしたいです。

<容量値との関係>

ICに流れる電流に対してコンデンサの容量が不足している場合、もちろん効果が低くなります。許容リップル電圧に対する容量の大きさは、コンデンサの基本式であるCV=itに従うため、ある程度見積もれるのではないでしょうか。ただし、実際は基板に寄生容量が付いたり、インダクタンスが付いたりと、パターンによって見積もりにくいので、容量を選定する場合は、ある程度マージンをみて容量が大きいコンデンサを選ぶのがよいと考えます。

パスコンの役割や容量値の算出は
高速ディジタル回路実装ノウハウ が詳しいです。


<注意すべきコンデンサの特性>

低い周波数帯域でインピーダンスを下げるためには、電解コンデンサを使うのがよいですが、注意すべきことは電解コンデンサの内部ESRやESLです。出来るだけESR、ESLの値の小さいコンデンサを使ってリップルを下げたいところです。

2、広い周波数範囲で電源ラインのインピーダンスを下げる

電源ラインにコンデンサを付けることにより、AC的な電源ラインのインピーダンスを下げることができます。これはコンデンサの周波数特性を利用したものです。コンデンサの周波数特性から分かるように、低い周波数は大容量の電解コンデンサ、高い周波数用に値の小さなセラミックコンデンサなどを並列につけることにより、広い周波数範囲に渡って電源ラインのインピーダンスを下げることができます。これはEMI、EMCノイズ対策にもなりそうです。


3、外部のノイズを防止する

この役割はいわゆるバイパスコンデンサ(パスコン)的な役割です。電源ラインに付ける電解コンデンサは、大元の電源から見ると、付けている電解コンデンサとコンデンサをつけている場所までの配線や、インダクタンス成分、R、LとCでローパスフィルタが形成されます。仮に、他のブロックなどで電源ラインにノイズやリップルが発生しても、ICにつけている電解コンデンサにより、ノイズを低減できる効果があります(ただし、ローパスフィルタのカットオフ周波数と外部のノイズの周波数によります)。




以上、今回は電源ラインのデカップリングコンデンサ、バイパスコンデンサなどについて簡単に説明してみましたが、実際はパターンによるところも多いので、一般に言われている大容量のコンデンサと小容量のコンデンサを並列に付け、若干余裕をみた値を付けるのが良いのではないでしょうか。また、配線のインピーダンスやインダクタンスを低減させるためにも出来るだけICの近くに、太く短くつけるのは言うまでもありません。


inserted by FC2 system